様
立冬も過ぎ、朝晩の冷えが日ごとに増してきましたね。
木枯らしが吹き出すと、冬の到来を実感します。
街行く人の装いも冬の様相を深めますね。
みなさま、お洒落と共に万全な冬支度を。
平成18年11月20日 義志東京本店
店長 樽見陽子
Tシャツ型第一に待望の新柄!
「真壁猪」
常陸国真壁氏が所用していた馬験(うまじるし)に描かれた強烈な猪の意匠を
そのままプリントした大胆な一枚。
高機能中綿入防寒羽織
まず、ブログでも同じような事を書いてるので今月号退屈に感じた方も多いのでは・・・?
と不安に思いつつパソコンに向かっている店長樽見です。
そこで今月はブログのお話。
昨年11月にひっそりと半ば嫌々ながら開設したたる店長のブログですがお陰さまで読者様が増え
まさかの1周年を迎えようとしております。
日々感謝とともに少々照れくささを覚えています。
今だから暴露出来る事ですが、初めは適当という言葉が相応しく全くと言っても
過言ではないほどに無関心でした。
その証として更新率の悪さが目立っていました(笑)
しかし次第に誰かしら見てくれている方がいる事に対しての使命感が強くなり、意識するようになっていたのです。
気が付けばわたしの大切な日課となっていました。
そして今ではその日課は楽しいひと時。
習慣というものはある意味恐ろしい。
だってその習慣が突然なくなったら困ってしまうもの。
もはやブログはお客様との大切なコミュニケーションの場。
ブログを通して少しでも義志に興味を持って頂けたらと、読んでいてくれる人がいる事を前提に書いています。
もちろんこのメルマガだってそう。
そりゃあ沢山の読者が欲しいけれど、たった1人だって良いんです。
どれだけの方が読んでくれているかわからないけど、1人でも多くの人に義志、そして義志の人間たち、
そこで起こるあらゆる事象に共感なり想像なり、何かしら感じて頂けたら光栄です。
もちろん共感に越したことはないけど例えそれが批判だって、
かつてわたしがブログに抱いてた無関心よりそれはよっぽど幸せなこと。
商品やサービスだけじゃなく、商品やサービスを通して主張される精神こそが至上命題だ!
なんて思います。
気楽ではありますが、これからもタイトル通りまったり更新していくつもりです。
これからもみなさまとのちょっとした手頃な暇つぶしでありたいです。
長くなりました。
近頃自分は誰かさんに似てアツくなってきたように感じるのです。
まもなく、その誰かさんの長くアツいメッセージが皆様を待ち構えています。
こっそり不定期に更新している店長のブログ
http://blog.livedoor.jp/yoshiyuki_tokyo/
もう不定期なんかじゃないよ。
【進化せよ、日本】
〜代表・緒方義志の言いたい放題 5〜
異国の風習を収集する国
それにしても、米国の文化発信力と日本企業の市場創出能力というものは本当に大したものです。
ついぞ10年前には、米国人によって大衆化された宗教行事の一つであるハロウィンが、まさか日本にまで定着するとは思ってもみませんでした。
今では小さな子供を持つ家族や若い人たちの間で、ハロウィンは10月31日の恒例行事になりつつあるようで、
大きなイベントに参加する人や家庭でささやかにパーティをやる人などが年々増えているそうです。
先月(平成18年10月)、インターネットのニュースを見ていたらこんな記事がありました。
ある大手輸入雑貨店の広報担当者の談話として、「(ハロウィンの)商品陳列はバレンタインよりも長く、
クリスマスに次ぐイベント」という記述があり、また、ある大手玩具量販店は「(今年は)全店舗で
(ハロウィン関連商品の)売り場面積を昨年の4倍にした」そうで、「この時期(10月)は大きな催事がなく、
ハロウィンは家族や地域で遊べる新しいイベントになっている」とのことでした。
そんな事情からか、今となっては、欧米での生活経験のない人でも、
ハロウィンのことを全く知らないという人はあまりいないのではないでしょうか。
ハロウィンと言えば、その行事の何たるかを知らなくても、ジャック・オ・ランタンと呼ばれる
かぼちゃをくり抜いて作った仮面やお化けの飾り物、そして仮装パーティなどがすぐに連想されることと思います。
この風習は、もともとスコットランド・アイルランドに起源をもつ、「諸聖人の祝日」の前夜に行われる
古代ケルトの祭りが、その移民たちによって米国に伝えられたものです。
一般的に知られている、子供達が仮装をして近所の家をまわり「Trick or treat!」と言って
お菓子をもらうという米国式の子供向けの慣習が始まったのは、ここ40年程のことだそうです。
さらに、この行事は大人たちにとっても格好のパーティの機会となり、童心に返って仮装をし、
仲間とわいわい酒を飲むという明るく陽気なイベントへと変遷を遂げました。
さて、ここで考えたいのは、このように特定の地域に由来する宗教行事が
一体どうやって日本のような全く異なる文化の国に紹介され定着してしまうのかということです。
答えは明白で、全ては企業が行う市場創出、消費拡大のための「仕掛け」に
私達消費者がまんまと乗っかってしまっているだけなのです。
国民的行事というものは、企業にとっては常に売上拡大の好機です。
わが国における大きな行事としては、正月やクリスマスなどがその代表例ですが、
企業はこの季節行事を最大限活用し、それに関連するありとあらゆるものを商品化し売上に結び付けます。
利益追求を至上命題とする企業活動において、「好機を活かす」ということは、
その事業に参画する全ての者にとっての責務であり、正義でもあります。
故に、国民的季節行事という商売の好機には、売上と利益を創出するために
消費者の慣習の中から需要を見つけ出すことは勿論のこと、自ら新しい行為の提案をも行い、
新たな需要を喚起していくことも、売上前年比と戦う企業にとっては重要な活動になってくるのです。
ハロウィンという行事は、そんな企業の強烈な商人魂と娯楽大国である米国の
文化創出・発信能力が相互に共鳴し合い、こうして日本の文化に定着しようとしています。
ことハロウィンに関して言えば、今までわが国には存在しなかった季節行事が暦の上に突如出現したことにより、
国内の企業にとっては全く新しい市場が創出されたことになります。
日本でハロウィン文化が発展すればするほど、今後はその関連商品を始め、様々な消費が喚起されていくことでしょう。
さらに、企業はこの行事を格好の販促活動の機会と捉え、ありとあらゆる商品をこの行事に関連付けて、
消費の喚起につなげていくはずです。既に私達のいる服飾業界でも、店内にハロウィンの装飾を施し、
派手に「ハロウィンセール」なる催事を行っている店もあるくらいです。
全ての企業にとって、クリスマス、バレンタイン、正月に匹敵する繁忙期が一つ増えるということは、
喜ばしいこと以外の何者でもないのです。
しかし、ここまで読まれた方はもう既に雰囲気的にお気づきかと思いますが、
率直に言って、私はこの現象に大いなる不快感を抱いています。
それは、異教や異文化に対する拒否反応ということでは決してありません。
このハロウィンが浸透していく経緯を見ていると、今日の日本の文化における風俗・慣習の個性が
またひとつ背骨を欠いた表面的な何かで薄められていくような感覚を覚えるのです。
クリスマスから始まって、バレンタインデー、ホワイトデー、父の日、母の日と、
これら全ては異文化における風習が土台となって日本に根付いた行事ですが、
そこにハロウィンまでが新たな仲間として不動の地位を築こうとしています。
こうなってくると、その後にはイースター、サンクスギビングデーと続き、
しまいには合衆国独立記念日までをも祝う国になっていくのかと、つい自虐的冗談まで言ってしまいたくなる心境です。
しかしながら、こうして見ると、わが国の季節行事の中で、
特に社会的に盛り上がりを見せる行事の大抵は、このハロウィンの類です。
要するに、企業が仕掛る新しい「季節行事の提案」に、日本の消費者が思惑通りに素直に反応しているのです。
今日の「万国季節行事博覧会国家=日本」ができあがった背景には、
こうした企業の文化的啓蒙活動という建前を持った
巧みな商業的プロパガンダが厳然としてあるのだと私は考えます。
何もないところに全く新しい市場が生まれるということは、経済的な視点で考えれば
生産も雇用も消費も新たに創り出されたということであり、諸手を挙げて喜ぶべきことです。
これによって誰かが迷惑を被るということもなければ、何かが消滅するということも直接的には考えられません。
だとすれば、この潮流に不快感を抱く私が捻くれているのでしょうか。
否、やはり、これからの日本を築いていく大人の使命ということを考えたときに、
このような企業の見さかいない商業活動は、私達大人に課された「美しい国の醸成」という責務を無視した、
なんとも品格なき所業だと私は敢えて苦言を呈したいと思います。
日本には素晴らしい行事や風習がたくさんあります。
節分、桃の節句、端午の節句、七夕、盆、彼岸、七五三。
他にも掘り出していけばもっと沢山の大小の季節行事が挙がると思いますが、
中でも十五夜(中秋の名月)などは、特に日本的で風流な行事です。
今日のように、私達が欧米の行事や記念日を収集し続けていくことで、
これらの行事が私達の孫の世代にどれだけ風習として残されていくのでしょうか。
このことに私達はもっと危機感を抱くべきです。
これらの風習を残していくか否かは、全て私達の意志次第なのですから。
ハロウィンが終わると、今度は私たち日本人が大好きなクリスマスシーズンに突入します。
この時季が来る度に、企業の商業活動に踊らされてふわふわと流行に乗り、
異国の宗教行事を真似して喜ぶような日本が、果たして世界で尊敬される国になり得るのかと、
勝手に耳に入り込んで来るクリスマスソングから逃れる術もなく考え込んでしまいます。
繰り返すようですが、現状の薄っぺらな年間行事のカレンダーは企業主導で作り上げられたものだと私は考えております。
企業の提案とその宣伝・販促活動の賜物で日本国中に恒例行事として広まり、
それに消費者が呼応した図式は、ひと言で言って「卵」ではなく「にわとり」が先、つまり「仕掛け」の産物ということです。
多くの大衆文化というものが、企業が促す消費活動の集積によって市場に根付いていくということを考えると、
企業はその意思があろうとなかろうと、一国の文化を形成する責任の一翼を担っているのです。
故に、今日の企業は、自分達の商業活動が自国の文化を良くも悪くも変えてしまうことができるということを
もう少し自覚してその活動を行っていくべきではないでしょうか。
私達も含め、全ての企業というものは、その展開を国際的に広げていこうとすればするほど、
日本という国柄をも背負って世界に出て行くことになります。
その時に、その国柄が魅力的で尊敬されるものであればあるほど、企業やブランドの価値も高まります。
だからこそ、企業は自らの事業の国際的発展のためにも、
「美しい日本の醸成」ということに意識を払っていかなければならないのです。
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