様
次第に日は長くなり、春が動くのを感じられます
・・・なんて悠長な事を言ってはいられなくなりました。
植物や動物たちの生息域が大きく変化している今日
現実味を帯びて危険が迫ってきています。
私たちも身近なところから温暖化対策を。
平成19年2月9日 義志東京本店
店長 樽見陽子
【義志情報通】
義志が全面協力する迷彩の新たなプロジェクトイベントMITTEの全貌が遂に明らかになる!
WIRE、FUJIROCKなど大型レイブイベントへの出演や海外での活躍も目覚しく、今までにない新しいスタイルで
ダンスパフォーマンス界に旋風を巻き起こす迷彩が、音楽・ダンス・ファッション・アートを融合させた新たなイベントを仕掛け、
日本のテクノシーンに新しい刺激を創出する。
平成19年2月11日
23:00〜 於:
渋谷 club asia
入場料(当日): 3,000円/1ドリンク フライヤー持参: 2,500円/1ドリンク
【新作入荷情報】
Tシャツ型第35 「二本引き」
価格:8,295円(税込) 色:利休茶・橙
柔らかく肌触りの良い天竺素材を使用。
袖口を軽めに絞った短い袖が、肩をタイトに包み込み男の二の腕を逞しく強調する。
Tシャツ型第12 「初音」
価格:9,345円(税込) 色:白・黒
肩幅を最大限に広く見せる「一本波切り替え」が施された長袖カットソーの第三弾。
【店長の編集後記】
今年の冬は雪景色を見る事もなく、終わりを迎えそうです。
速度を増して年々地球を変えていく世界の事象が今後どうなっていくのか深刻です。
地球の環境問題を1人1人自覚し、行動に移さなければなりません。
身の回りで顕著な、或いは私生活に影響が出ていないからと言って
無頓着に過ごしてきた事を嘆くより、私たちも出来る事を取り組んでいきたいですね。
青い地球を守るために。
自然界の持つ穏やかで風雅な音や香りや色。
変化する空の色や土の色、自然が織り成す色彩からなる安らぎ。
この自然の恵こそ大切にしなければなりません。
私が色に関心を持ち始めたのは義志の商品に出会ってからの事でした。
珊瑚、山吹、瑠璃、紺碧・・・などその美しい表現に魅了されました。
図鑑や事典を捲る日本の伝統色は実に豊富でどれも意味深く、万葉の昔からの名であったり、
また四季折々の植物などさまざまな形で表現され尊さを物語っています。
きっと日本人の色彩感覚の豊かさは恵まれた風土があってこそなのでしょうね。
店長のブログ
http://blog.livedoor.jp/yoshiyuki_tokyo/
【進化せよ、日本】
〜代表・緒方義志の言いたい放題 8〜
「和製スーパーカーに学ぶ」
先日、凄い車に試乗してきました。昨年、光岡自動車より発売された「大蛇(オロチ)」という和製スーパーカーです。日本神話に登場するヤマタノオロチを表現の
題材にしたこの異端児は、文字通りどこから見ても獰猛な蛇の化身と呼ぶに相応しく、いかにも邪悪で冷酷な面構えをしています。その風貌だけでもすれ違う人の目を
例外なく釘付けにしてしまうのですが、スーパーカーと呼ばれるだけに体格も一般の乗用車からはかけ離れています。全長は456cm、車高が118cmと地を這うように低く、
何よりも驚くのはその車幅で、なんと204cmもあります。これは国産の乗用車の車幅としては最大だそうです。この車を操縦していると、なんだか手なずけた魔物を
操っているようでとても不思議な感覚でしたが、路上で実際に運転している間の私は間違いなくその道路を走る全ての運転手の中の主役だったと確信しています。
私はこの車が光岡自動車のコンセプトカーとして平成13年の東京モーターショーで発表された時に、同社が会場の話題をかっさらった
というニュースを見て初めてその存在を知りました。そして、怖さと色気が共存する、一度見たら忘れることができない良い意味での異常な
デザインに衝撃を受け、それ以来ずっとこの車のことが気になっていました。大抵、モーターショーでコンセプトカーとして発表される前衛的な
デザインの自動車は、なかなか実際に発売されるまでには至りません。また、仮に実売に漕ぎつけたとしても、モーターショーで発表された
時のデザインと比較すると、より無難で普通の容姿に生まれ変わって登場することがほとんどです。それは、各自動車メーカーとしても、
製品化するからには採算を無視することはできず、そのためにはより多くの人から嫌われない性能とデザインを有さなければならないという理由からでしょう。
しかし、昨年の10月、遂にこのオロチが本当に発売されたのです。しかも、その牙と毒はそのままに。自動車に対する関心が一般男子にしては低い私も、
これを知った時にはさすがに期待と興奮を覚えました。こんなにアクの強い国産車がかつて存在したでしょうか。国内外における日本車に対する一般的な評価として、
「性能は良いがデザインが面白くない」とか「燃費は良いが色気がない」などということが言われてきましたが、そのような日本車の感性の側面に対する過小評価を
一撃で払拭してくれるような車が登場してくれたことは、ものづくりをする同じ日本人の一人として実に嬉しいことだと思っていました。
そんな折、昨年の暮れのことになるのですが、新聞社に勤める友人が、「日本独自のかっこよさを世界に発信しようとしているところに共通点がある」という理由で、
オロチのデザイナーである青木孝憲氏をはじめとするオロチプロジェクトチームの方々を私に紹介してくれたのです。
そして、彼らの生の話を実際に聞く程に、彼らのものづくりに対する強い情熱と誇りを感じることができ、とても強烈な刺激を受けました。
そんな話を聞いた上での試乗とあったので、その感動はもう鳥肌が立つほどでした。
こういう反骨精神溢れる車の発売が実現したのは、光岡が自動車会社としてはまだ小規模な企業だからだと考えられがちですが、それは大きな間違いです。
それは、会社の規模が小さいからできたことでは決してなく、「俺たちが凄いものを作るんだ」という決意と使命感が他のどの企業よりも大きかったからに他なりません。
開発費というものは、将来に対する先行投資ですが、その投資が必ず利益をもたらすかどうかは誰にも分からないことです。開発とはそういう前提で限られた資源を
投入する行為なわけですから、資金に余裕があればあるほど精神的にも体力的にも相対的な負荷は軽くなります。裏を返せば、同じ予算の開発を行うならば、
売上と利益の小さな会社ほど、当然相対的な負担は重くなるのです。しかし、それでもその開発を決行し、継続し、製品化するところまで強引にもっていく原動力は、
その企業の決意以外の何者でもありません。実際にこのオロチを目の前にした時、私にはこの作品が光岡自動車の決意の塊に見えました。
オロチのデザインにはそのくらい強烈な主張があるのです。
このデザインは、手放しの賞賛に値するものですが、私がオロチに最大の敬意を表したいのは、日本語の名前で勝負をする稀有な車であるということです。
ややもすると、これはなんということもない小さな事に聞こえますが、このごく当たり前で普通のことをやる意識と勇気を他の自動車メーカーたちはついこの間まで
持ちえていなかったのです。私は、自分が自動車を運転する歳になってからというもの、なぜ日本の自動車メーカーは国産車に対して日本らしい名前を付けないのかと、
常々疑問と不満を感じていました。フェラーリのテスタロッサやランボルギーニのディアブロなどのイタリア車が母国語で名前を付けることでその国の印象を
更に強めているように、日本車も日本らしい名前を付けて世界に羽ばたかせてやれば、日本の文化が世界でもっと身近に感じてもらうことができるのにも関わらず、
そんな機会を自ら放棄するとはなんとももったいないことです。
業界を牽引する大手であるトヨタや日産、ホンダなど、もはや世界企業となった日本が誇る自動車メーカーたちは、全ての車種に対し決まって欧米語種あるいは
欧米の匂いのする語感を持つ名前を付けています。これは一見、ブランドの国際展開におけるグローバリゼーションの名の下に、海外市場でも通用する商品名を
付けようという一つの戦略のようにも見えますが、実際のところはそういう訳でもないようです。それは、国内でしか販売しない車種も全て欧米語種で
名前が付けられていることや、欧米市場へ輸出する際に、英語の名前が付けられている車種にわざわざ別の名前を与えたりしている(例えば、日産「マーチ」が
欧州市場では「Micra」、「フェアレディZ」が北米市場で「Z」として販売されている)ことを考えるとなんとなく見えてくることなのですが、これは日本人の消費者特有の
欧米語崇拝に対するメーカーの配慮としか捉えようがないのです。要するに、消費者に「かっこいい」、「新しい」と思ってもらうためには、欧米の言語で
名前を付けておけば安全であるという「必勝の法則」です。日本の産業界にいつの間にやら確立されてしまったこの不文律を特に頑なに守り通していたのが
自動車産業だっただけに、それを破るブランドがこの業界に現れたことは歴史的な事件であったと言っても過言ではありません。
オロチはこの一種の強迫観念めいた呪縛からいとも自由に解き放たれているようで、例えその姿が「魔物」であっても「悪の権化」であっても私には何とも清清しい存在に
思えてなりませんでした。そして、オロチ発表後の東京モーターショーで面白い現象が起こり始めます。大手各社が発表する新車やコンセプトカーに次々と日本語の名前が
付けられるようになったのです。例えば、日産の「FUGA(風雅)」や「JIKOO(時空)」、ホンダの「KIWAMI(極)」、マツダの「息吹(いぶき)」、「楔(くさび)」、「鷲羽(わしゅう)」等々。
各社がオロチに影響を受けたかどうかは定かではありませんが、日本の自動車業界を欧米語の呪縛から解き放った救世主がオロチであったことには疑いの余地がありません。
こうして、自動車業界の中で「日本語の商品名」が市民権を得ようとしています。このように、日本を代表する産業において、「商品名に日本語を使うことは
至極自然なことなのだ」という価値観が浸透することは、今後の日本人の言語に対する意識に大きく影響を与えていくのではないかと私は期待しています。
日本車は総じて世界に誇る高い性能を持っています。だからこそ、企業は自信を持って商品が日本発信であることを国内外に対し主張していくべきですし、
その為の最も単純で明快な手法は、日本語で車に名前を付けてあげることなのだと思うのです。言葉というものは、往々にしてモノを介して文化に根付いていくものです。
今日、生活の様々な場面で日本語の淘汰が進行しつつある中で、このように巨大な産業が母国語の持つ魅力と説得力に気づき、積極的に日本語を活用して
更に魅力的な文化を生み出す動きが加速すれば、それは間違いなく他の産業にも波及して一つの大きな潮流となっていくことでしょう。
私たち服飾産業に従事する企業もその一翼を担っていかなければならないと改めて思い直させてくれたオロチに感謝します。
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