冷たい風が少しずつ和らぎ、暖かな春の訪れが待ち遠しいこの頃。

そろそろ行楽の計画を立て始めている方も多いのではないでしょうか?

のどかで快適なひとときをお過ごし下さい。

 

                          平成19年3月20日 義志東京本店 

                                    店長 樽見陽子

 

 

【義志情報通】

 

■■ Tシャツ型第1に春の新柄 ■■ 

Tシャツ型第1「光琳紅白梅図」

 

 

価格:9,345円(税込) 色:黒・縹 サイズ:小・中・大

 

江戸時代の天才絵師・尾形光琳に対する義志の尊敬と憧れが強烈に込められた光琳賛美作第一弾。

彼の最高傑作の一つである「紅白梅図屏風」から紅梅と白梅だけを取り出して、

光琳に負けじとTシャツの前後に大胆に配置した。

前面の老熟な白梅に対し、背中の紅梅は天に向かって若枝をまっすぐ伸ばしており、

前と後とではその印象が全く異なる。

色は黒と縹(はなだ)の2色で、縹はこの春の完全な新色

 

 

【新作入荷情報】

 

■■■ Tシャツ型第32「若武者」 ■■■

 

 

価格:8,295円(税込) 色:白・墨黒 サイズ:小・中・大

 

兜の面頬をデジタルに表現し、2種類のプリント技法を組み合わせた

立体的な質感(面の部分は発泡、歯の部分は金箔)。

大きく配置した「面頬」柄が胸板を広く見せ、

袖口を若干絞りいつも以上に上腕二等筋を強調!

薄手の素材で左右非対称な裾のデザインになっている。

 

 

■■■ Tシャツ型第28「縦一本」 ■■■

 

価格:8,925円(税込) 色:白・紺 サイズ:小・中・大

 

道着の前合わせをイメージしてデザインされたVネックTシャツ。

空手着のように襟と袖口には補強縫製が施し、胸部には横一文字に

目の粗い平織り綿の切り替えを加え、無骨さを表現。

背中には松皮菱紋を抜いた「縦一本引き」がプリントされている。

 

■■■ 影 型第2「蛇の目」 ■■■

 

価格:22,050円(税込) 色:赤・黒 サイズ:小・中・大

 

裏毛頭巾羽織「影」の第二弾。

覆面型フードや親指を差し込める袖口の眠り穴はそのままに

隠しポケットや「ツリ目ポケット」などアクの強い仕様が満載。

 

 

■■■ 空手袴「四本引き」 ■■■

 

 

価格:22,050円(税込) 色:藍 サイズ:小短・小長・中短・中長・大短・大長

 

今や義志の代表作となった空手袴も遂に第3期仕様。
基本であるウエストを紐でしばる道着仕様、シルエットや縫製の仕様はそのままに

豪華にあしらった四本引きの刺繍が更なる存在感を演出する。

 

 

 

【店長の編集後記】

 

春眠暁を覚えず。

とはよく言ったものですが、

みなさまは毎日何時間睡眠を摂っていますか?

成人の必要睡眠時間は7時間から9時間。

日本人の睡眠時間は他の先進国と比較して最も短いそうです。

かくいう私も睡眠不足。

 

健康被害の原因になったり心身に悪影響を及ぼすのは承知している

にもかかわらずつい夜更かしをしてしまう。

仕事や日常生活においても何ひとつ良い事はないはず。

 

これはいい加減見直したい。

しかし根底である生活習慣から変えなければ改善は果たす事が出来ず

不規則に至っている始末・・・。

これは私だけでなく現代人に多い傾向ではないでしょうか。

 

睡眠に適した環境は気温20度から23度湿度が50%。

確かに四季の中で春はまさに睡眠に最適な環境。

今こそ睡眠の重要性を見つめ直し生活を改めるとき!

新生活が始まるこの時期、この環境を機に

上質な睡眠を確保して健康的で効率の良い生活を過ごしたいですね。

  

店長のブログ
 
http://blog.livedoor.jp/yoshiyuki_tokyo/

 

 

【進化せよ、日本】 

〜代表・緒方義志の言いたい放題9 〜

 

 

 

「男の紐」

 

我が国は世界でも突出して「紐」が発達した国だと言われているそうですが、その中に真田紐という紐があります。

通常、紐と言えば組んだ紐、すなわち、組紐が一般的なのですが、この真田紐は縦糸と横糸から成る「織物」で、

組紐とはその組成が全く異なります。よって、紐類の中でも独立した一つの品目として分類され、孤高の存在で居続ける特別な紐なのです。

戦国武将の真田昌幸が刀の柄を巻くのに用いたことからこのような名が付けられたと言われるだけに、組紐のように引っ張ったら

伸びるような優柔さがなく、その見た目と質感においてもまさに日本一硬派な紐であると言っても過言ではありません。

 

戦国時代から江戸時代にかけては、その頑丈さゆえに武具や甲冑などに盛んに用いられたことから武家社会に浸透し、

やがてその機能や役割を超えて、武士達が自らの粋を表現する為のちょっとしたお洒落の小道具として愛されるようになったと言います。

しかし、明治に入り、廃刀令が発せられると共に、日常での刀剣をはじめとする武具の需要はほとんど無くなり、それと同時に

男の日常生活と真田紐とのつながりは希薄なものとなり今日に至ります。その結果、「桐箱を縛る」という極めて限定された用途だけが残り、

今でも陶芸や骨董、茶道の世界などで不動の地位を保ち続けてはいますが、それ以外の日常ではなかなか目にすることがありません。

かく言う私も、真田紐に初めて触れたのは、陶器か何かが入っている桐箱を開けた時だったと思います。

 

真田紐が掛かっている桐箱というものは、良い意味で何とももったいぶった感じがして、開ける時はとてもわくわくするものです。

恐らく、この丁寧かつ重厚に織られた独特の紐が箱の中に納められている物体を厳重に警護しているかのように思えるのでしょう。

この紐に手をかけた瞬間は宝物の封印を解く特権を与えられたような不思議な高揚感を覚えます。この場合の真田紐は、

中の物体を保護している箱を縛る為の極めて脇役的な存在ですが、この紐が掛かっていることによって、

箱の中の物体にそこはかとない威厳が与えられるのです。これは、真田紐が持っている一種独特の魔力とも言えるのではないでしょうか。

 

普段、このように桐箱を開けるという場面においては、この紐についてそれ以上の思いを巡らせることはないのですが、

昨年「才蔵」と名付けた冬物の羽織をデザインしているときに、ふと真田紐のことを思い出しました。この「才蔵」は、

文字通り真田十勇士に登場する霧隠才蔵を思い浮かべながら企画した、ちょっと涼しげな男らしさを感じさせる中綿入りの羽織物なのですが、

まさに突然の閃きで、この羽織のどこかに真田紐を付けるべきだと考えたのです。私は、その時初めて、真田紐について深く調べてみました。

すると、今日の需要がそこまで多くないせいか、全国でもこれを作れる職人はさほど存在しないということが分かったのですが、

なんと意外にも東京に一人の真田紐師がいたのです。

 

市村藤斉という御歳78歳の職人で、大正時代から続いている家業を受け継ぐ関東で唯一の真田紐師だそうです。

それを知ったとき、私はすぐさま市村氏に電話をかけ、私が取り組んでいる仕事について説明した上でお会いしたい旨を伝えたところ、

話を聞いていただけるとのこと、さっそく板橋区にある同氏の仕事場を訪ねました。実際に市村氏にお会いして話を聞くと、

「藤斉」の真田紐は茶道界や陶芸界で名のある先生方に好んで使われているだけでなく、宮内庁に納められる茶器や陶磁器の桐箱にも

頻繁に使用されているとのことで、私は一瞬「これはちょっと敷居の高いところに来てしまったな」と、何でも勢いで行動してしまう

自分の性格を少しそそっかしく思いました。ところが、気さくで温厚な市村氏は、義志の活動にも理解を示してくださり、

義志別注の真田紐を織って頂けることになったのです。こうして、晴れて「才蔵」の企画は実現しました。

 

私が初めて市村氏の仕事場を訪問した折に、見本として様々な柄や太さの真田紐を実際に手に取って見せて頂きましたが、

その時ひとつ強烈に実感したことがあります。それは、真田紐は間違いなく男の紐だということです。その質実剛健な特徴は、

男性中心の武家社会で愛されただけに、理屈抜きに男心をくすぐる紐なのです。この圧倒的な存在感を内に秘めながらも

決して派手とは言い難い堅物な男紐を目の前にした時、ただただ純粋に「おお、かっこいい!」という言葉が私の口から

無意識に出てきたのを今でも覚えています。たかが紐だと思う人もいるでしょうが、されど紐、さらには日本の男の紐なのです。

 

この紐は何としてでも後世に残すべきです。いや、残すだけではなく、更なる発展の可能性を模索して、まずはファッション業界が

いろいろな使い方に挑戦してみるべきです。そうすれば、いずれは日本国内のみならず海外の人たちにも真田紐のかっこよさが

伝わっていくのではないかと私は心底から思います。それは、日本の伝統工芸品を大事に継承していこうなどという義務感や

感傷的な動機に基づく思いとは全く異なり、単純に、時代や流行を超越した日本の素晴らしい技術と感性のかたちである真田紐を

知らない人たちに教えたいという純粋なファッション提案です。「俺、こんなかっこいいもの知ってるんだけど、

よかったらお前も取り入れてみろよ」といった、いささか自慢や余計なお世話に近い感覚です。そんなおせっかいをやきたくなるほど、

真田紐はその実力が全く正当に評価されていないファッション資材だと私は思います。発明されてから何百年経った今でも、

古臭さを感じずに普通に「かっこいい」と思える工芸品はそう滅多にあるものではありません。だからこそ、これは伝統工芸品としてではなく、

私達の生活にもっと身近なものとして、遠慮容赦なく自由気ままに様々な場面で使われるべき代物だと思うのです。

 

現に、真田紐の魅力を理解し、これをもっと普及させていこうというと考える人は少なくなく、女性の着物の帯締めや巾着の紐、

下駄の鼻緒や手提げかばんの持ち手などに活用して需要の掘り起こしを図ろうとする動きもあるにはありますが、

これらの用途開発のほとんどは女性を対象としています。しかし、私は、真田紐は男にこそ使われることで、

その輝きを更に増していく特殊な紐だと思うのです。ここはまさしく義志の出番としか考えようがありません。

私は義志を通して、日本一真田紐をかっこよく使いこなす男物の服屋を目指します。御真田師・市村藤斉氏の後押しを頂きながら、

真田紐が閉じ込められてしまった狭く限定された「伝統的用途」という世界から引きずり出していくつもりです。

只今義志は、市村氏にまた新たな真田紐を別注し、次なる企画に取り組んでいる最中です。

 

 

 

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